バスキュラーアクセスとは

バスキュラーアクセス(シャント)とは、血液透析を行う際に体内から血液を取り出し、再び体内に戻す患者さんに造設される血液の経路のことです。 バスキュラーアクセスによるトラブルは患者さんを苦しめるだけでなく、適切な血液透析療法を困難にします。安定した透析を行うためには良いバスキュラーアクセスが必要不可欠です。 当院では、バスキュラーアクセス作成、維持管理や修復を行っております。
なぜ、バスキュラーアクセスが必要なのか?
通常、透析中に毎分約150~250mlの血液を体外に取り出し、透析器で血液中の老廃物を取り除き、きれいにしてから体内に戻す必要があります。
これを1回につき3時間から5時間続けて行い、通常は1週間に3回定期的に行います。
しかし腕の静脈では血液量を確保できないため、十分な透析治療ができません。
逆に腕の動脈には十分な血液が流れており、動脈に針を刺せば透析を回すだけの血液が得られます。しかし、動脈は深いところを走っているために表面から見えず、簡単に刺すことが出来ません。
そこで、手術にて動脈と静脈をつないで、静脈に流れる血液量を多くして、そこから血液をとる方法が開発されました。このつないだ血管をバスキュラーアクセス(シャント)と呼んでいます。
このことから安定した透析を行うためには良いバスキュラーアクセスが必要不可欠となります。
シャント手術について

自己血管内シャント
詰まりにくく長期間使用が期待できる内シャントです。皮膚下で静脈と動脈をつなぎ合せてシャントを作ります。ほとんどの場合は利き手とは逆の手首付近に作ります。血管の状態などによっては、肘付近に作ることもあります。
このシャントの注意点はすぐに透析治療には利用できず、2~4週間後から開始できます。そのため、透析が必要な時期を見極めて事前に作っておく必要があります。
人工血管内シャント
血管が細いなどの理由によって自己血管で内シャントを作れない場合に選択されます。自己静脈が乏しい場合でも十分な血流を有するシャントを作製することが出来る利点がありますが、自己静脈内シャントと比較すると閉塞と感染に注意が必要となります。
上肢に適切な静脈がない場合は、やむをえず人工血管内シャントを作ることになります。
上腕動脈表在化
皮膚から深い位置を走行している動脈を、外科的に皮膚の直下に移動させて、透析の時に直接動脈を刺して血液を取り出すことができるように作製されます。
内シャントが作製困難な方や、心不全で内シャントを作製することが適さない方、または内シャントが不全になったときのバックアップとして作製されます。
透析用カテーテル
非カフ型カテーテル
(短期留置カテーテル)
透析が緊急に必要となった方や、シャントが使用困難、作製困難となった方に、透析用のカテーテルを一時的に留置して透析を行うことがあります。非カフ型カテーテルと呼ばれています。
カフ型カテーテル
(長期留置カテーテル)
透析に必要な内シャント作製が困難である方や重度心不全の方、小児透析の方などに使用される透析用カテーテルです。カテーテルが皮下で移動しないようにカフと呼ばれる繊維が縫い付けてあり比較的長期の留置を可能にしています。
短期留置カテーテルはシャントが詰まって使用できない間やシャントが発達するまでの間、一時的に使用するものです。
長期留置カテーテルはシャントの状態や心臓の機能が悪く、シャントを作れない方に入れます。
当院の日帰りシャント手術
手術は局所麻酔を用いて行います。術中の痛みはほとんど感じないうえ、意識ははっきりし、会話をすることも可能です。
手術に要する時間は、自己血管内シャントの場合は1時間~1時間30分、人工血管を使用する場合は2時間がおおよその目安です。手術法、体格、血管の状態により大きく異なってきます。
術後は出血がないことを確認し、必要に応じて痛み止めの処方をもらい、お帰りいただけます。また抜糸までは概ね2週間を要します。
通常2~4週間後から透析治療が可能になります。重大なトラブルを避けるため定期的に検査とメンテナンスを受け、できるだけ長く快適に使っていけるようにしましょう。特に人工血管のシャントはリスクが高いので、こまめなメンテナンスを心がけてください。
予約お申込み
日帰りシャント手術のご予約・ご相談は、医療機関からのみ受け付けております。
ご希望の患者さまは、かかりつけ医療機関の先生にご相談ください。
(予約・診療・患者様の状態に関する連絡は、紹介元医療機関と当院の間で行います)
下記予約申込書を印刷してご記載の上、当院までFAXにてお送りください。
申し込み先
【TEL】0561-76-3123
【FAX】0561-76-3122